犬の狂犬病のワクチン接種率が下がり続けているという記事(3月25日朝刊1.3面)を、愛犬家の一人として何度も読み返した。1面の記事によると、仙台市では2017年度の接種率が過去最低の76%に落ち込む見通しという。驚いた。記事に加えて、1面のグラフ「狂犬病予防注射の実施率」と、3面の表「2016年度のワクチン接種率」が、現状を理解させてくれた。
 3面の写真は、ワクチン接種後に交付される仙台市の「注射済票」。隣の写真説明には「東北の接種率は比較的高い」とある。この部分だけ見た読者は勘違いするかもしれない。名誉ある接種率1位の山形県の注射済票を掲載した方が良かったのではないだろうか。
 1面の記事に戻ると、「狂犬病は国内では1957年以降は発生していない」とある。これに安堵(あんど)して「日本は大丈夫」といった声も聞こえてきそう。同じ動物?の「かほピョン」を使った、本紙ならではの啓発方法を考えてみてはどうだろう。

 朝刊社会面で3月26日から30日まで「ブンチョウEyes 仙台・国分町いま」が、4回連載された。2回目の「寄る辺」は、東北一の繁華街・国分町の夜間保育所の現実を描く。私自身働く女性として、子を持つ母として胸が張り裂ける思いで読んだ。
 記事の内容もさることながら、写真が印象的だ。寝息が今にも聞こえそうな子、天井をじっと見つめている子、寝付けず園長さんにトントンしてもらう子、毛布を掛けてもらっている子。警戒心を抱かれても不思議ではないのだが、子どもたちの「自然体」を撮影できている。記者は何度も園へ足を運んだのではないだろうか。
 そう感じつつも、預かる側・保育所だけなく、預ける側・親御さんのコメントも欲しかった。
 記者が中立的な立場で取材先の「今」を書かなくてはいけないことは承知している。その上で、「夜間保育だから認可外」のレッテルを勢いよくはがし、子どもたちとその親御さんのための「平等な保育の場」確保に結び付くような、夜の保育界にムーブメントを起こす記事が生まれることを、今後の取材でも期待したい。
 さて、3月30日にプロ野球開幕。東北楽天大ファンの私は、胸の内を見透かされたかのような翌31日朝刊社会面「今年こそ日本一に」の大きな見出しに「そうだ、その通りだ!」。一人声を上げてしまった。地元紙ならではの「1試合入魂」の濃い記事。取材した記者も相当熱が入ったと思われる。
 スポーツ面見出し「熱投」「執念」「歓喜」の文字は、シリーズ終盤で1、2位争いする状況で勝利したかのようだった。今年も勝ち負けにかかわらず、ファンとチームに寄り添った取材をと願っている。


<たけした・さゆり氏>1978年、仙台市生まれ。東日本国際大経済学部卒。結婚、出産を経て、社会参加を目指す女性会員組織「ヴィーナスクラブ」の仙台支部を2015年に発足させ、同支部代表を務める。16年、父親の家事・育児参加啓発に取り組む「ファザーリング・ジャパン東北」設立に参加し、17年から代表理事。