太陽光や風力など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を見直す改正特別措置法(4月施行)の行方に注目したい。
 大規模な太陽光発電の買い取り価格を入札で決めることなどで、電気料金に上乗せしている再生エネの買い取り費用を抑え国民負担を軽くすると同時に、悪質事業者を排除するのが狙いだ。
 法改正によって、東北では太陽光など再生エネによる発電計画が推計で計370万キロワット失効した。100万キロワット級原発3基分を上回り、全国の失効分の1割強に達する。
 もともと制度の急ごしらえは否めず、ほころびが出てきたのは確かだ。ただ、原発依存体質から抜け出すためには、再生エネの普及は欠かせない。右肩上がりで負担を強いられてきた国民への丁寧な説明とともに、不断の制度改革が必要だろう。
 再生エネの導入機運は東京電力福島第1原発事故を機に高まり、2012年7月、再生エネの固定価格買い取り制度が始まった。大手電力会社に対して太陽光や風力などで発電された電気を全量、国が定めた価格で買い取ることを義務付けた。
 発電事業者にとってはコストをほぼ確実に回収でき、再生エネ市場への新規参入が相次いだ。特に太陽光は用地の取得などが容易で参入しやすいとされ、制度導入で発電量が急拡大した。
 いいことばかりではない。魅力ある市場には悪質な業者も入り込む。
 買い取り価格が高い時期に制度の認定を取得し、太陽光パネルの値段が下がるまで発電を始めず、利益を増やそうとする事業者も続出した。事業認定を受けながら稼働しない発電施設は、認定件数の3割に上るという。
 最大の問題は膨大な国民負担だ。再生エネの買い取り費用は電気料金に「賦課金」として上乗せされ、国民が払っている。
 経済産業省の発表によると、5月から適用された17年度の家庭の負担額は全国の標準ケースで月額792円(東北電力では同686円)。年間では9504円にもなる。再生エネの買い取り制度が始まった12年度の月額66円と比べ12倍にも膨らんでいる。国民負担総額は2兆円を上回る。
 地球温暖化対策や自給電源の確保に役立つとの観点から、国は再生エネの割合を30年に現状の2倍程度に高める考えだ。一方で多額の負担に対する国民の理解が進んでいるとは言い難い。国は積極的な情報提供で理解を求める努力を重ねるべきだ。
 一段の負担軽減へ、発電技術の向上に支援の力を入れるべきだし、制度自体を柔軟に見直す姿勢は欠かせない。
 再生エネを地域振興に役立てようという動きもある。制度見直しに際し、こうした取り組みへの政策的配慮もあっていい。