終盤国会は18日の会期末を控え、与野党の攻防が激化している。
 民進、共産両党は13日、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡り、金田勝年法相の問責決議案を参院に提出した。
 民進党は学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)問題に絡み、国家戦略特区を所管する山本幸三地方創生担当相への問責案も参院に提出。4野党は衆院への内閣不信任決議案の提出も視野に徹底抗戦の構えを示している。
 「共謀罪」法案の参院法務委員会の審議はストップ。与党は10日前後を軸に小幅延長する方針だというが、実質審議は東京都議選(7月2日投票)が告示される23日前までとみられ、十分な時間を確保できないことは明白だ。
 そもそも、与党内では5月中旬ごろまでは会期の大幅延長が有力視されていた。「共謀罪」法案の成立を確実にし、性犯罪を厳罰化する刑法改正案も成立させる狙いがあった。都議選の休戦期間をまたぎ、7月下旬ごろまでの延長が取り沙汰されていた。
 そこへ安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園の問題が浮上した。会期を大幅延長すれば、野党に追及の場を与えることになる。都合が悪くなると一転して、延長論を封じるような安倍政権の姿勢は不誠実極まりない。国民の代表である国会を軽んじているのではないか。
 延長国会で取り組むべきはまず、「共謀罪」法案の徹底審議だ。衆院審議は30時間程度で採決強行の末に参院に送られた。「内心の自由」を脅かすような法整備への懸念は全く拭えていない。
 答弁が定まらない金田勝年法相の迷走ぶりは目を覆うばかりだ。参院では実質的な答弁は刑事局長が引き受けている。法相は衆院の段階でも役人から耳打ちされ、おうむ返しのような答弁に終始した。
 そして加計学園問題である。内閣府が文部科学省に計画手続きを促す「総理の意向」などと記載された文書を巡っては、早々と「確認できなかった」と結論付けた。
 その後、文科省の現役職員の証言など新たなデータが出てきても、政府は再調査要求を拒み続けた。松野博一文科相は9日、ようやく再調査を表明したものの、遅きに失した感がある。早急に調査結果を明らかにすべきだ。
 一方で山本地方創生担当相は、内閣府について再調査しない意向を改めて示したが、それではバランスを欠く。文科省の結果次第では再調査は避けられないのではないか。
 今国会では首相と野党党首の党首討論が一度も実施されていない。通常国会で開催ゼロとなれば、2000年の制度導入以来、初めてとなる。
 安倍政権の強引な国会運営はエスカレートしている。さらなる禍根を残さないためにも会期の大幅延長が必要だ。