国、自治体、企業に女性の登用目標などの行動計画策定・公表を求める女性活躍推進法が施行されて1年がたった。働き方改革への注目が高まる中、職場や社会の状況は変わっただろうか。
 同法は、301人以上の企業に女性の採用比率、勤続年数の男女差、労働時間、女性管理職比率状況といった現状を把握し、課題を分析した上で、女性活用のための行動計画策定を義務付けた。
 対象は約1万5千社。昨年4月のスタート時点で公表企業は半数程度だったが、今年3月には99%超に達した。努力義務とされた300人以下の企業も、2700社以上が策定している。
 内容や数値目標を14項目から最低一つ挙げ、実施時期とともに自社のホームページなどで公表する。努力目標であり、達成されなくてもとがめはないため、内容にはばらつきがある。
 管理職の女性比率を上げるために具体的な研修プログラムを掲げる企業がある半面、「実現に向け職場環境を整備する」程度のケースもある。企業のやる気の濃淡が透けて見えるようだ。
 女性の就業状況を数値で評価し、認定する「えるぼし」制度も始まった。今年5月末現在で全国で約340社、東北では秋田を除く5県の16企業が認定を受けている。
 次世代育成支援対策推進法に基づく子育てしやすい企業のお墨付き「くるみん」「プラチナくるみん」とともに、えるぼし企業を公共調達で加点評価する取り組みも進む。
 一方で環境が整わないまま数合わせや実績作りのために名ばかり管理職や役員登用を図る企業はないだろうか。
 働く女性の多くが、一握りのキャリア社員の話で、自分にはあまり関係の無い制度と受け止めている現実もある。非正規雇用や賃金格差の実態は見えにくく、底上げにつながるかは疑問が残る。
 「小さく生んで大きく育てる」とスタートした男女雇用機会均等法は施行30年を経て、少なくとも大卒女子の就職の土壌を整えた。「男性並み」を求められた中で、女性管理職は珍しくなくなった。
 しかし、結婚や出産、育児を機に退職する女性はなお多い。不利にならない処遇は当然としても、子どもを預ける受け皿がなければ結局、仕事は続けられない。政府は待機児童ゼロを2017年度末から3年先送りすることになった。失望と不信が広がる。
 就職活動をする学生は、各社の男女比率や時間外労働などワークライフバランスのありようをシビアに見つめる。企業自らがダイバーシティー(多様性)による組織の活性化や戦略の必要性を自覚しない限り、今後優秀な人材の確保は困難になるだろう。
 2年目以降に問われるのは、お題目にとどまらない実践と「活躍」の中身だ。社会の本気度が試される。