今度こそ、圧力を確実に強め、実効性の高い国際包囲網としなければならない。
 北朝鮮による2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、国連安全保障理事会が採択した、新たな制裁決議のことである。
 北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を断つことを狙い、北の主産品である石炭、鉄・鉄鉱石、鉛といった鉱物資源と、海産物の輸出を全面的に禁止するのが柱だ。
 その対象は、輸出総額(約3300億円)の約3分の1に上り、「これまでで最大の経済制裁」(トランプ米大統領)になるという。確実に履行されれば、金正恩政権に大きな痛手を与えよう。
 実効性の鍵を握るのは、北朝鮮貿易において、その9割を占める中国である。制裁を北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に確実に結び付けるため、国際社会と連携し、中国はその完全履行に努めるべきだ。
 日本は米国、韓国と連携して、中国に対し働き掛けを強めていきたい。
 ただ、今回も決議採択までには時間を要した。1回目のICBM発射は7月4日であり、2回目の発射(28日)をはさみ約1カ月もかかった。
 日韓とともに制裁強化を主導した米国と、慎重姿勢の中国、ロシアとの間に溝があったのは隠しようもない。
 問題解決に向けた決定打として期待され、米国が求めた石油の禁輸について、中国は北朝鮮の市民生活に及ぶ影響を理由に、今度も首を縦に振ることはなく押し切った。
 ロシアは、多くの北朝鮮労働者を受け入れており、それが核・ミサイル開発の資金源になっているとの疑念が拭えない。だが、今回の決議は労働者の新規の雇用だけを禁止することとし、既存労働者については現状維持とした。
 中ロが決議を受け入れたのにはそれぞれ、そうした事情があったとみられる。ただ、労働者受け入れについては国連で検証し、もっと議論する必要があるのではないか。
 もっとも今回の決議で注目したいのは、これまでの決議にあった「抜け穴」がふさがれることだ。鉱物資源について石炭には輸出の上限が設けられ、鉄鉱石には「民生利用は除く」など例外があった。
 中国は2月に北朝鮮産石炭の輸入を停止する措置を取りながら、一方で鉄鉱石の輸入量が急増。北朝鮮が外貨収入を得るため、この措置を利用し、鉄鉱石の輸出を増やした可能性が指摘されていた。
 今回、全面禁輸とすることでこうした抜け穴にふたがされる。履行が徹底されれば、その効果はこれまでの比ではあるまい。そう期待できる。
 決議の採択は全会一致である。中ロ両国は制裁を厳格に履行する責任も、その結果として北朝鮮に核・ミサイル計画放棄を迫る責任も安保理常任理事国として負っている。そのことを忘れず、国際社会と共に厳しく行動すべきだ。