支持率が低迷したまま離党者が相次ぎ、崖っぷちに立たされている党の再生につなげることができるのか。
 蓮舫代表の辞任表明に伴う民進党の代表選(9月1日投開票)がきのう告示され、前原誠司元外相(55)と枝野幸男元官房長官(53)の一騎打ちが確定した。
 国民の期待を裏切った民主党政権で要職を担った2人。経験豊富とはいえ、新鮮味に欠けるのは否めない。民進党の人材払底ぶりを象徴するような代表選と言えよう。
 ただ、失政が骨身に染みているだろうから、反省を糧にした抜本的な再建策も可能だろう。自民党に取って代われる政党に脱皮するため、何を旗印にしていくのか。党の在り方を根本から問い直す機会にしなければならない。
 安倍晋三首相が唱えた憲法9条改正への対応、消費税率引き上げの是非、「原発稼働ゼロ」を巡るエネルギー政策…。「寄り合い所帯」に配慮するあまり、曖昧にしてきた基本政策の論争に終止符を打つ覚悟が求められる。
 前原氏は保守系で、枝野氏は党内のリベラル派から支持を受けている。最大の争点は、現執行部が進めてきた共産党を含む野党共闘であろう。
 記者会見で前原氏は「理念や政策が合わないところと協力するのはおかしい」と批判、共闘の見直しに言及した。一方、枝野氏は「できることは最大限の努力をしたい」と継続に前向きだった。
 野党候補が小選挙区で乱立すれば、自民党を利することだけははっきりしている。じり貧の現状を見れば、次期衆院選に向けて野党間での選挙協力か、政界再編による新たな受け皿づくりか-の選択を迫られるのではないか。
 都議選での圧勝をてこに、年内にも旗揚げが見込まれる「小池新党」とも関わるテーマだ。民進党を離党した細野豪志元環境相が、小池百合子都知事の側近で政治団体「日本ファーストの会」を設立した若狭勝衆院議員と新党の協議を始めている。
 評価を保留して連携に含みを持たせた前原氏に対して、枝野氏は疑問視した。ただ、今の段階で浮足立っても仕方があるまい。風頼みでなく党の主体性の確立が先決だ。
 民進党にとって、現在の政治状況は安倍政権を追い込む好機である。加計(かけ)学園問題や南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報隠蔽(いんぺい)問題などが響いて支持率が急落し、内閣改造カードまで切った。
 にもかかわらず、共同通信が3、4日に実施した世論調査で自民党の支持率39.0%に対して民進党は7.3%。改造の影響を差し引いても、党勢回復の兆しは全くない。
 これまで選挙で敗北する度に党の「顔」を変えてきたが、その効果は無きに等しい。解党的な出直しが求められるゆえんだが、新代表は残された時間が限られていることを肝に銘じるべきだ。