どんよりした雲に遮られ、夏らしい空がほとんど顔を見せないまま、8月も終わりに近づいた。東北は2日の梅雨明け以降、太平洋側を中心に雨や曇りの天候が続いた。低温と日照不足が著しい。
 景気への影響が心配だ。行楽地や夏祭り、イベントなどは大きな痛手を受けた。エアコンの売り上げやビアガーデンの客足も低調だった。
 コメの作柄、農作物の生育不良が懸念される。予報では今週中に天候が回復する見込みだが、生産者は気を緩めずに、農作物の管理に万全を期してほしい。
 仙台管区気象台によると、8月の太平洋側各地の平均気温(1~20日)は、仙台が平年より2.1度低い22.2度。石巻も21.9度で1.7度下回った。
 宮古、三沢は20度を割り込んで、いずれも9月中旬並み。涼しさを通り越し、肌寒さに近い低温だった。
 仙台では7月22日からきのうまで連続32日間、降水を観測し、夏場としては史上2番目の記録となった。雨の日が多く日照不足は深刻だ。
 積算日照時間(1~20日)は仙台で13.3時間(平年比で14%)、白石6.2時間(7%)、相馬8.8時間(9%)など。日差しが極端に少ない状態が続いた。
 太平洋高気圧の張り出しが弱く、オホーツク海高気圧から、冷たく湿った東寄りの風「やませ」が日本列島に吹き込んだのが、直接の要因だ。
 この高気圧は、7月末からすでに北海道の北側に停滞。8月下旬まで居座り続け、東北から関東まで広く、長く影響を及ぼした。
 7月下旬の気象庁の3カ月予報では、8月の東北太平洋側は「晴れの日が少ない」とした一方で、「気温は平年並みか高い」と予想していた。予報がはずれた原因を詳しく分析してほしい。
 この不順な天候も、オホーツク海高気圧の移動に伴って、今週中には低温がようやく解消され、夏空が戻るとみられる。
 ただ、油断は禁物だ。地上付近の空気が急速に暖まり上昇すると、上空の寒気とぶつかり大気が不安定になる。今度は7月に全国で相次いだような集中豪雨につながる条件が整う。気象台は「雷を伴う大雨が降る可能性もあり得る」と警戒を呼び掛ける。
 例年なら初秋に向かうこの時季、1カ月ぶりの暑さがぶり返すとなれば、30度以下でも体にこたえる。体温調節の機能がうまく働かず、体に熱をため込んで熱中症になりやすくなる。注意が必要だ。
 農作物への影響の程度が分かってくるのはこれから。各県では対策会議や実態調査に入っているが、楽観はできまい。東北には、冷害を最小限に食い止める技術の備えがあるとはいえ、相手は自然だ。
 天候に左右されるのが、人の暮らしの常である。早めの対策で乗り切っていきたい。