北朝鮮はきのう、6回目の核実験を強行し、原爆とは桁違いの破壊力を持つ水爆の実験に「完全に成功した」と発表した。その水爆は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用だという。
 爆発規模は約1年前の前回を大きく上回り、過去最大という。実験に本当に成功したのかどうか、日本は米韓と協力し分析を急ぎたい。
 発表が事実だとすれば、わが国上空を通過させた弾道ミサイル発射と併せ、日本を含む東アジアの安全に対する脅威は一層、深刻の度を増す。
 何よりも重大に受け止めなければならないのは、米国本土に向けた核攻撃能力が一段と高まることである。
 北朝鮮は7月に、2度にわたり米中西部に届く射程1万キロ以上とみられるICBMの発射実験を実施。一方で米国は北がミサイル搭載に必要な核弾頭小型化に成功している可能性があると認めている。今回の実験で技術が一層向上したとすれば、深刻な現実の脅威とならざるを得ない。
 トランプ米政権は、米本土を攻撃できる核ミサイルの保有を阻止するため、かねて「あらゆる選択肢を排除しない」とし、軍事行動も辞さない立場を表明している。
 核実験については一時、レッドライン(越えてはならない一線)として政権幹部が言及した経緯もあり、朝鮮半島を巡る米朝の軍事的緊張が高まる恐れを否定できない。
 だが、北朝鮮の挑発に乗ってはならない。
 北朝鮮は核攻撃能力を誇示することで、米から「敵視政策」の撤回や平和条約の締結といった譲歩を引き出すことを狙う。だが、その要求に応じてはなるまい。対話に応じても北が核・ミサイル開発を放棄する保証はないからだ。
 もとより核実験の強行は、過去の国連安全保障理事会決議に対する明白な違反だ。トランプ大統領はきのうも安倍晋三首相と電話会談し、圧力路線強化を確認した。軍事的手段ではなく、外交的な手だてを駆使し北朝鮮に核・ミサイル開発放棄を迫るべきだ。
 国際社会は、石炭を含む鉱物資源の全面禁輸を盛り込んだ8月の決議の完全履行を確認するとともに、新たな制裁決議を追求したい。国連安保理の中では、北朝鮮に対する石油・石油製品の禁輸も、採るべき選択肢として議論する必要がある。
 これまでの制裁が効果を上げ得なかった原因の一つとして、北朝鮮の最大の貿易相手国である中国と、ロシアが制裁の「抜け穴」となっていると指摘され続けてきた。
 だが、中国もロシアも、北朝鮮に対し国連安保理の常任理事国として決議順守を求めてきた。今回の核実験に対し中国は「強烈な非難」、ロシアは「最大限の非難」を表明した。であるなら、中ロ両国は、今度こそ北朝鮮に安保理決議を守らせるべく、毅然(きぜん)と行動するべきだ。