日本の製造業を代表する名門企業の不祥事がやまない。「メード・イン・ジャパン」の信頼を揺るがす事態は収束するどころか、むしろ広がりを見せ、深刻の度を深めているとすらいえる。
 日産自動車に続きSUBARU(スバル)でも、国の規定に反して、資格を持たない従業員に新車の出荷前完成検査をさせていたことが分かった。無資格検査は30年以上前から行われていたという。
 製造データ改ざんが相次ぎ発覚した神戸製鋼所グループでは、日本工業規格(JIS)の値を満たさない製品のデータを改ざんして出荷していたとして、銅管製品でJIS認証が取り消される事態に発展した。
 信じ難いのは、「もの」の最低限の安全と品質を保証している法令を軽視する姿勢である。新車の安全性を担保する制度を、そして日本のものづくりの礎といえる規格をないがしろにしている。
 なぜ、そうなったのか。日産、神鋼同様、スバルもその原因を徹底究明し、再発防止につなげねばならない。
 同時に、そうした風土がこの3社だけでとどまるのかどうか、そんな疑問が湧く。全ての製造業の現場で総点検が必要ではないか。これ以上、「日本ブランド」の信用低下を招いてはならない。
 スバルで無資格検査があったのは、群馬県内の2工場。日産の不祥事を受け、国土交通省からの指示で社内調査を進める過程で見つかった。
 完成車検査はメーカーが国に代わってブレーキの利き具合を含め性能をチェック。新車にとって最初の車検に当たる。ところが、正規検査員が無資格者にはんこを貸し、検査の記録書類に押印させる偽装が常態化していたという。
 同様の行為は日産でもあった。「車検偽装」に等しく、消費者軽視との批判は免れない。日産に次ぐ不正発覚は、国産車の品質に対する信頼を一層損ねたといえよう。
 この検査制度の見直しは避けられまい。
 メーカーが新型車を出荷する際、国から「型式指定」を受けていれば自社工場で検査できる。国による検査の手間を省き大量生産を可能にするためだ。だが、この「性善説」に基づく制度が無資格検査で骨抜きにされた。これでは新車の安全を担保できない。
 検査が確実に実施されたかどうか、国が確実に確認できる仕組みが必要ではないか。早急に検討すべきだ。
 一方、神鋼のデータ改ざん問題は底なしの様相を呈してきた。新たに不正の疑いが5件確認されただけでなく、JISの認証機関が計20工場で立ち入り審査をしており、銅管以外の製品にも認証取り消しが広がる恐れがある。
 認証取り消しが相次げば会社の存続にも暗雲が立ち込めかねない。政府、関係自治体、取引金融機関は事態の推移から目を離してはならない。