女性の政界進出は世界的にみて最低水準にある。今回の衆院選でも、女性の当選者の割合は約1割にとどまった。「女性の政治参画」という掛け声はどこにいったのか。与野党の本気度を問いたい。
 立候補者1180人中、女性は209人で17.7%。過去最高の数字となったが、当選者は465人中47人で、過去最多だった2009年衆院選の54人に及ばなかった。
 女性の割合は10.1%。公示前の9.3%から微増した。とはいえ、列国議会同盟(IPU)が下院で調査した193カ国(9月1日現在)の中では161位に相当する。先進7カ国(G7)で25%以下は日米だけだが、米はほぼ2割で日本は突出して低い。
 政党別では、当選者が最も多かった自民(追加公認を含まず)が、281人中20人で7.1%、立憲民主が54人中12人で22.2%。小池百合子東京都知事が代表に就き、期待された希望の党はわずか2人だった。
 東北は46人中5人にとどまった。23小選挙区のうち14では、そもそも女性候補がおらず選びようもない。当選を重ねている顔ぶれを見れば、新たな女性候補の入り込む余地を期待しにくいのが現実だ。
 15年末に決定した第4次男女共同参画基本計画でも、国会議員の候補者は20年までに30%という目標を堅持し、政党の自主的取り組みを要請している。「政治に多様な民意を反映させるため、率先垂範してあるべき姿を示す」という理由だが、実態はその要請に全く応えていない。
 本来であれば、各党に候補者をできる限り男女均等とする努力義務を課す「政治分野における男女共同参画推進法案」が、先の通常国会で成立する見通しだった。ところが紛糾した加計(かけ)学園問題のあおりで、審議入りできないまま廃案になってしまった。
 こんな小さな一歩すら前に進まない。政党側にとっては優先度が低い、あるいはよほど都合の悪い目標なのかと疑いたくなる。
 各党の公約は「政治分野における男女共同参画推進法の早期成立を目指す」(自民)「国政選挙へのクオータ制の導入」(立憲民主)「国会における男女同数を目指し、必要な法案を提出する」(希望)「国会と地方議会の議員の男女同数を目指す」(共産)となっていた。
 本当にその気があるなら、一刻も早く着手してもらいたい。政党はまず、候補となる女性を発掘、育成する取り組みを進めるべきだ。一方、過半数を女性が占める有権者の側も現状をやむなしとすることなく、声を上げて真剣に考えていく必要があるだろう。
 安倍政権は「すべての女性が輝く国づくり」を看板の一つに掲げて「活躍」を促してきた。その基盤を整える政策の立案、決定に関わる地位に女性がわずかでいいはずがない。