聞けば聞くほど、「特例」扱いが次々と明らかになり、異例ずくめの土地取引だったことが浮き彫りになったのではないか。
 学校法人「森友学園」への国有地売却額問題を巡って、きのうまで2日間行われた衆院予算委員会の質疑である。
 財務省の太田充理財局長は、2013~16年度の同様の土地取引計972件のうち、売却額を非公表としたのは森友学園の契約1件だけだったことを明らかにした。
 将来の売却を約束にした定期借地契約や分割払いを認めたのも、森友学園だけだったという。あまりにも厚遇ぶりが目立ち、特別な事情があったとしか思えない。
 野党によって新たな音声データも明らかにされ、太田局長は存在を認めた。近畿財務局の担当者が売買契約を結ぶ前の昨年春、学園側を訪問した際のものだという。
 「ごみは国が知らなかった事実なので、そこはきっちりやる必要があるというストーリーをイメージしている」という担当者の発言があるとされ、値引きの「口裏合わせ」が疑われる経緯が語られているという。
 太田局長は「新たな地下埋設物の撤去費用を見積もるために必要な資料の提出をお願いしただけだ」などと反論、疑惑を否定した。
 さらに近畿財務局の担当者と森友学園側が昨年5月、価格交渉をしていたとうかがわせる音声データの存在も認めた。
 学園側が「ゼロ円に近い形で払い下げを」と要求。財務局が「ゼロに近い金額まで努力する作業をしている」と答える生々しい内容だった。
 どう考えても国が具体的な金額を挙げて、国有地の値引きを巡ってやりとりするのは不自然ではないか。
 約8億円値引きされた売却額をずさんとした会計検査院の報告も取り上げられた。
 ごみ撤去費用の算定根拠が不十分なことに加え、値引きの経緯を記録した評価調書が作成されなかったことや、残された文書では学園側とのやりとりが全く検証できない、と指摘している。
 これだけの落ち度を問題視されながら、政府関係者は「仮定によって幾つかの推計値がある」などとして、従来の政府対応が不適切と認めなかった。不誠実な対応と言わざるを得ない。
 安倍晋三首相に至っては「財務省を信じて『適切』と申し上げた」と言い逃れのような答弁もした。専ら強調したのは国有財産の処分手続きの見直しといった制度改革。問題の本質をずらそうとしているようにも映った。
 こうした不可解な土地売買がなぜまかり通ったのか。森友学園が開設を目指した小学校の名誉校長に、安倍首相夫人の昭恵氏が一時就いたことと関係があるのか。本人を含め関係者の国会招致は不可避だろう。