視界が全く開けない。2019年の統一地方選、参院選を見据えた野党連携である。
 閉幕した特別国会で、野党の安倍政権への追及は迫力を欠いた。10月の衆院選を前に民進党が分裂し、敗北した混乱が尾を引く。一枚岩には程遠く、溝は深いままだ。
 民進の大塚耕平代表は13日、党再建策として「新党結成」「党名変更」「現状維持」の三つの選択肢を示した。14日の両院議員懇談会でどれを選ぶかの議論を始めており、年内に結論を得たいという。
 同党から分かれた立憲民主党、希望の党との連携を模索していたが、衆院議員の大半が2党に移り存在感は急速に低下。党勢低迷から離党の動きが顕在化してきたためだ。
 共闘を巡っては、立民は共産党も含めた6野党の協力を基本方針とする。希望は共同代表選で表面化した路線対立が解消されておらず、連携の方向は定まらない。
 特別国会では立民など野党5党が「共謀罪廃止法案」を衆院に共同提出したが、賛否が割れる希望は参加せず、足並みの乱れを印象付けた。
 こうした状況は有権者にとって「分かりにくい」の一言に尽きる。民進の出直しを巡っては、仮に新党を結成しても単なる「看板の掛け替え」としか映らないだろう。
 共同通信が2、3日に実施した世論調査の政党支持率によると、自民の37.1%に対し、3党は立民12.5%、希望3.2%、民進1.8%。民進の低迷ぶりが際立つ。
 焦燥感を募らせるのは、東北を含めた全国約1500人の党地方議員だ。地方組織は存続させ、衆院小選挙区ごとの総支部も残す方針を決めたものの、立民や希望との連携は宙に浮いたままの状態が続く。19年の統一選に向けた支持固めに不安が生じる。
 大塚代表の「再生3案」は、衆院選後の党内議論を踏まえた対応だ。「民進の名前のままでは戦えない」という意見が相次いだ一方で「地方組織が存続するのに解党はおかしい」との声もあり、結束が見通せなかった。
 3案を巡っても新党、現状維持にそれぞれ支持があるほか、立民入りを視野に分党を求める意見もある。既に元代表の蓮舫参院議員が立民への入党検討を表明した。ここに至っても内輪もめが続けば、有権者の野党勢力への期待値はさらに低下するだろう。早急に方向性を示してほしい。
 特別国会では「1強多弱」が加速した。与党が質問時間の配分見直しを迫り、慣例だった与野党「2対8」が「3対7」に改まりつつある。
 来年1月召集の通常国会は、この政治状況に緊張感を生む論戦を望みたい。数の力を振りかざす政権がおろそかにする政策に光を当て、対抗軸を構築する。政権の選択肢たる野党が求められる。
 野党勢力は選挙互助会の意識を廃し、政策を軸にした連携の道筋を探るべきだ。