昨年2月に始まった「プレミアムフライデー」(プレ金)。昨年の新語・流行語大賞トップテンにも選ばれるなど、認知度は高まったものの、定着度や効果は1年を経過しても関係者の思惑とは大きく懸け離れている。
 このままの形で、官民挙げて旗を振り続けることに、どれだけ意味があるのか疑問を抱かざるを得ない。
 プレ金は、毎月末の金曜日に企業が早めの退社を促し、いつもよりちょっと豊か(プレミアム)な週末を送ってもらおうという取り組みだ。個人消費への刺激策がきっかけだったが、それに安倍政権が掲げる「働き方改革」が重なった。
 経済産業省と経団連などが推進協議会を設立し、さまざまなPRを進め、協議会の調査では認知度が9割に達しているという。
 当初の期待は大きく、プレ金開始を契機に、企業のイベントなども始まった。東北の各百貨店や大型店舗などでも、さまざまな形で行われている。
 ただ、1年を経過し、定着するどころか、現場からは「売り上げや商機は期待したほどではなかった」(日本百貨店協会)という声が上がっている。掛け声倒れの面は否めないのではないか。実際に早く退社できたという人は、協議会の調査でも、平均11.2%しかなかった。
 消費喚起と働き方改革の「一石二鳥」をもくろんでのプレ金だが、当初から設定に疑問が出されていた。
 月末の金曜日は給料日に近い週末という「消費喚起」優先の狙いがありあり。ところが、企業で月末の金曜日は月の決算などで多忙な日だ。「こんな日に早帰りなどできるわけがない」という声が上がっていたのも当然だろう。
 協議会は昨秋になり、「消費喚起のイベントは月末金曜」としながら、働き方改革は「月末金曜に限らない柔軟な取り組みを推奨」とする実施方針を発表した。月末金曜のイベント推進と早期退社への取り組みという「二兎(と)」を追うことが無理だったことを認めざるを得なかった。
 それでも、二つの別々の課題解決が、同時に図られるようなイメージは残しつつ、名称を変えないままで推進し続けている形だ。
 早く帰ったという人の割合も、昨年12月以降の協議会の発表では、月末金曜以外の「振り替え」も含む数字になった。もはや「プレ金」の率ではない。
 「クールビズ」などのように、時間をかけて定着が図られた政府主導の取り組みもある。働き方改革の中で、早期退社の推進も必要な課題であることは間違いない。
 ただ、開始から1年もたたず、当初の方針を変更せざるを得なかった取り組みを無理に続けるより、全体を再構築した方が、課題解決には効果的ではないか。