女性の政治参画に対する国会の本気度が問われよう。与野党一致して今度こそ、法案を成立させてほしい。
 国会や地方議会の女性議員を増やすため、候補者数を男女で均等にするように政党に促す法案について、超党派の国会議員が今通常国会に再提出を目指している。
 議員立法で予定されている「政治分野における男女共同参画推進法案」だ。政党、政治団体に、候補者数の目標設定などについて自主的に取り組むよう努力義務を課す。
 法的拘束力を伴わない理念法という位置付けだが、立ち遅れている女性の政治参画を後押しする「一里塚」になるのは間違いない。
 法案は与野党が昨年の通常国会で成立させる方向だったが、加計(かけ)学園問題などを巡る対立や衆院解散で廃案になった経緯がある。今度は財務省による森友学園の決裁文書改ざん問題などに影響されずに成立を目指すべきだ。
 再提出へ動いているのが超党派の議員連盟(会長・中川正春衆院議員)。地元の岐阜に女性政治家育成塾を開設する野田聖子女性活躍担当相も、旗振り役を務めている。
 昨年10月の衆院選では、与野党とも女性議員増に向けた公約を掲げたが、掛け声倒れになった感が強い。結果を見れば一目瞭然だ。
 例えば、自民党。女性候補の割合が主要政党で最低の7.5%で、当選者は7.1%。女性候補の割合が最も多かった立憲民主党でも24.4%、当選者は22.2%だった。
 全候補者に占める女性の割合は17.7%、当選者は10.1%。前進はしてきているものの、2020年までに指導的な地位に占める女性の割合を、30%とする政府目標からは程遠い現実がある。
 地方議員も推して知るべしだ。総務省によると、15年の統一地方選での女性当選者は市議で16.1%、町村議は10.4%、都道府県議は9.1%にとどまる。
 たとえ法が成立したとしても、女性進出を促すための環境整備が進まなければ、絵に描いた餅と言っていい。
 熊本の女性市議が昨年、生後7カ月の長男を抱いて議場に入り、物議を醸したのがいい例だ。市議は「子育て中の女性も活躍できる市議会であってほしかった」と訴えた。
 その行動の是非は別にしても、女性が当たり前に子どもを産み、育てながら議員活動ができるようにしなれば、裾野は拡大しない。政党や議会は両立を支援する仕組みを考えるべきだ。女性候補者の発掘、育成は言うまでもない。
 今、日本は少子高齢化が急速に進み、女性が前に出なければ、社会自体が持たなくなってきている。それなのに、政治の世界はいまだにほぼ男性一色に染まっている。
 安倍晋三首相が強調する「国難」を解決するためにも、女性の政治参画のハードルを下げていくべきだ。