ずさんな設備管理が発覚して中断していた使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の審査が、再開されることになった。東京電力福島第1原発事故の後に決められた新規制基準に適合するかどうか、原子力規制委員会があらためて調べる。
 仕切り直しの形での審査になるが、事業者の日本原燃は「規制以前の問題を多く含んでいる」と規制委から酷評されている。再処理工場を安全に運転できるのかどうか、規制委は極めて厳しく審査しなければならない。
 再処理工場はそもそも、その必要性が疑問視されてきたばかりか、これまで24回も完成時期が延期されていまだに「未完成」。本来なら、再処理して取り出したプルトニウムを利用する核燃料サイクル政策の妥当性が問われなければならない。
 核燃サイクルの実現可能性や経済性を見据えた上で、技術的な審査に臨まなければ全く意味をなさない。
 原燃が規制委に審査を申請したのは、4年前の2014年1月だった。昨年3月には地震や重大事故への対策の確認作業が終わり、最終段階に入っていた。
 ところが、それからつまづき続ける。昨年5月に審査を反映させた「補正書」を提出したものの、事故対策の不備が判明。審査やり直しになってしまった。
 さらに昨年8月、非常用電源建屋に雨水が流入し、設備の一部が水没した。点検を怠ったことが原因だった。このトラブルをきっかけに規制委が検査したところ、ずさんな安全管理が明らかになり、昨年10月には審査中断に追い込まれている。
 規制委は今月、原燃から重要設備の点検結果の説明を受けてようやく審査再開を決めた。再び審査が動きだすが、再処理工場が存続の瀬戸際に立たされていることに変わりはない。
 「商品」であるプルトニウムの利用先が、かなり不透明になっている。元々は高速増殖炉の核燃料と想定されていたが、原型炉「もんじゅ」の廃炉で可能性はほぼゼロ。現在の原発でウランと混ぜて燃やす「プルサーマル」も、福島第1原発事故後の長期休止によって困難になっている。
 再処理工場は当初計画通りなら、21年前の1997年に完成しているはずだった。技術的な難しさにずっと悩まされ、24回も延期を繰り返すうちに建設費は3兆円近くに膨らんだ。完成する前に既に、設備の老朽化が始まっているという指摘も受けている。
 原燃の経営は電力各社の債務保証や出資に頼ってきたが、電力自由化によって各社の経営も厳しさを増し、これまでのような支援を続けられるかどうか危ぶまれている。
 審査に当たっては、再処理の将来性や経済的な「持続可能性」も、十分にチェックしなければならないだろう。