「すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される」と宣言した児童憲章は1951年のきょう制定された。だが、現代の子どもを取り巻く環境は厳しい。
 きょうは「こどもの日」。大人として自分たちは何ができるのか、子どもの未来に思いを巡らせたい。
 「子どもの貧困」「貧困の連鎖」が言われて久しい。
 親の収入が少なくて十分な教育を受けられず、進学や就職で不利になる。結果、満足できる職に就けず、貧困を抜け出せない-。少子化が加速するわが国で、貧困の解消は社会全体の課題である。
 平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合は2015年時点で13.9%。7人に1人が相対的貧困の水準で生活している。
 とりわけ、1人親の世帯は半数以上が貧困状態に陥っている。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最低水準だ。ところが、就業率は8割を超えて世界トップレベルにある。非正規雇用などによるワーキングプアの実態が透けて見える。
 子どもの貧困対策法が14年に施行され、施策の充実が図られてきたが、雇用の安定や所得増、教育費の負担減など制度の拡充を求めたい。
 政治や行政による経済的な「貧」対策と同時に、困った時に頼れる地域のきめ細かな「困」対策も大切だ。
 地域で子どもが安心して過ごせる居場所づくりがNPOや地域住民などにより、各地で進められている。「子ども食堂」もその一つに位置づけられるだろう。
 子どもに無料もしくは低額で食事を提供する子ども食堂が、全国で広がっている。支援団体が先頃、全国で約2300カ所に上ると発表した。子ども食堂が東京都内で始まったのは約6年前。東北6県にも宮城の44カ所をはじめ計101カ所ができたというから、急増と言っていい。
 子どもの貧困対策法が弾みとなったとされるが、特徴的なのは、困窮家庭に限らず、広く子どもたちを受け入れていることだ。子どもや住民の居場所として、地域の交流拠点としての機能を担う所も少なくない。
 実際、宮城県初の子ども食堂として、石巻市貞山地区で15年11月にスタートした「ていざんこども食堂」は「全ての子どもたちが当たり前に暮らせる地域」を目指し、小学校と地域住民、市内のNPO法人が手を組んで運営する。市社会福祉協議会も調整役を担う。食堂をきっかけに住民と子ども、地域と学校がつながり、地域全体が多機能化したという。
 東日本大震災では、平時から「顔の見えるつながり」を築いておく大切さを学んだ。貧困状況にある子どもに限らず、地域の子どもたちを多くの人々が温かく見守る仕組みを広げたい。