紅葉の美しい季節に訪れたい温泉。そう言われてまず思い浮かぶのは、秋田県大仙市の温泉旅館「強首(こわくび)温泉 樅峰苑(しょうほうえん)」だ。国の登録有形文化財に指定された築100年の豪農屋敷を旅館として改築した建物。そこに1日7組だけが宿泊できるというぜいたくさが魅力。当主の小山田明さんは16代目だ。

 敷地内に湧く自家源泉は、豊富な湯量と適度な泉温で、全く手つかずの100%源泉かけながしを実現。近づくだけで鉄と土のにおいがはっきりとする、黄土色のとても濃い濁り湯だ。成分も濃く保湿力・保温力・殺菌力を期待できる。特に保湿力の高さは、スキンケア後も実感できるだろう。

 大浴場は男女の入れ替えがなく、24時間入浴可能。大浴場は内湯のみで露天風呂はない。でも、宿泊すると、離れに二つある庭付きの貸切露天風呂のどちらかに、1回だけ無料で入浴できる(45分間、2回目以降は追加料金が必要)。浴槽は大浴場、貸切風呂ともに、すべてヒノキ造り。貸切風呂も大人4人がゆったり入れる大きさがある。立ち寄り湯もできる。午前11時から午後3時までで食事をすることも可能だ。

 館内着は、男性は浴衣で、女性は足首部分のすぼまった、丈が長めの作務衣。足首丈の足袋靴下もあり、寒い秋田の秋も湯冷めしにくくしてくれる。館内は所定場所以外は禁煙。客室にはトイレや洗面所などはついていない。

 食事は1階の大広間でいただく。アユ、サケなどの魚、山菜が中心のヘルシーな和食で、名物は川カニ料理とぜんまいの貝焼き(かやき)。貝焼きは大仙市西仙北地域の郷土料理で、一人分の鍋のこと。貝は入っておらず、昔はホタテの貝殻に具を入れて焼いていたことから、一人分の鍋を貝焼きと呼ぶようになったという。

<プロフィル>

 朝香。温泉ソムリエアンバサダー。大学時代に日本中世史を専攻、さまざまな地域の歴史を学ぶ。モデルとして、ショーを中心に活躍する一方、温泉の魅力やその効能を引き出す入浴法を広めようと活動している。

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