東日本大震災で、1次避難場所に指定されていない釜石市鵜住居(うのすまい)地区防災センターに逃げ込んで津波の犠牲になったのは、市が正しい避難場所の周知を怠ったためなどとして、亡くなった2人の遺族が市に計約1億8400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、盛岡地裁は21日、「市が本来の1次避難場所に加えて、センターが1次避難場所でないことまで周知すべきであったとは言えない」として遺族側の請求を棄却した。
 訴訟で遺族側は、過去の市主催の訓練や地震でセンターが避難場所になっていたと指摘。「住民の多くが津波発生時に避難すべき場所と信じ込んでいた。市はセンターが避難すべき場所でないと周知する義務を怠った」と主張してきた。
 市側は、正しい1次避難場所は広報誌などで知らせてきたと説明。「避難場所でないと、いちいち周知するのは自治体に過度の負担を強いる。市の義務として認められない」と請求の棄却を求めていた。
 センターは、災害時に真っ先に向かう1次避難場所ではなく、中長期の避難生活を送る拠点避難所だった。市と遺族団体の共同調査は、震災で196人がセンターに逃げ込み、うち162人が犠牲になったと推計した。