ひとり酒は春が一番ふさわしいように思います。寒い時はさびしいし、暑いならパァっと飲んで寝てしまいたい。ほんわりした暖かさを体で感じながら山菜などをつまみ、ゆっくりと呑(の)む。いい夜です。下句の口語が見事です。「誰か来んかなあ」。日本の西側の方言でしょうか。やわらかく、少し甘えた響きです。「誰(だ)あれも来るな」。いやいや、やっぱり一人でいいや。少しさびしさはありますが、水気たっぷりの春に包まれ、おいしいお酒を啜(すす)るのです。(駒田晶子)