「薫風」という季語があるように、5月は1年のうちで最も爽やかな風が吹いているのではないでしょうか。そんな5月の風が渡ってくると、真昼の光が散る、と歌っています。「散る」という語から、新緑の葉に照り返す無数の光を感じます。その光と同じように、細かく揺れている木々の新しい葉っぱ。初夏のいのちの躍動を感じさせる歌です。さらに「風」「五月」「ま昼」と、どれもアという母音で始まる語が一首の中で明るく響いています。(本田一弘)