ウサギは完全な草食動物であり、生態系の中では最も弱い立場に位置します。故に、肉食動物に捕食されないよう、体の構造に特徴があります。
 一番に挙げられるのは、高い跳躍力を生む大きな後ろ足です。この素晴らしい能力を得るために一役買っているのが体の軽さです。軽量な体を手に入れるためには、何かを犠牲にする必要がありました。ウサギは自分の骨密度を低くしたのです。
 もう一つの特徴は、草を消化するために必要な長い腸です。腸を収容するためおなかは大きく、とても重くなっています。その代わり胸は小さくなりました。肺がとても小さいのです。ですから、ウサギは一瞬の跳躍力は素晴らしく、俊敏に動くことができるのですが、長続きせず、すぐに息切れを起こします。
 このような特徴を持つウサギを飼育するため、気を付けなければいけない最も重要なことは、「骨折させない」ということです。
 ポイントは、ウサギがジャンプした際に衝撃を受けないようにすることです。前回お話ししたように、天井の高いケージを用意する、プラスチック製のすのこは滑るので使わないなど、けがをさせないよう予防に努めてください。
 一度骨折してしまうと、治療はとても難易度の高いものになり、治るまで他の動物よりも時間がかかることになります。元々もろい骨を元に戻すのですから、大変なのです。
 骨折で命を落とす可能性があることも前回お話ししました。立つことができないと腹圧が過度にかかり、それによって狭い胸が圧迫され、呼吸が苦しくなり次第に弱っていくのです。ですから、くれぐれもけがのないよう、最適な飼育環境を整えてあげてください。予防に勝る治療はありません。
(獣医師)