バスケットボール男子、B2仙台が成績不振にあえいでいる。昨年末に後藤敏博監督を解任。高岡大輔アシスタントコーチを昇格させたが、監督交代の劇薬も効かず、その後も連敗を続けている。成績低迷は入場料収入の減少に直結し、経営の厳しさに拍車を掛ける。かつてない危機をどう乗り越えるか。1年でのB1復帰が困難となった今こそ、再建に向けた明確なビジョンを示す時だ。
 「こんな試合を見せてしまい、申し訳ありません」
 仙台市太白区のカメイアリーナ仙台で20日にあった山形戦後、高岡監督が頭を下げた。新体制の初陣は94失点の大敗。圧倒的に攻め込まれ、ブースターからはため息が漏れた。
 負けが込めば必然的に客離れも起きる。前半戦のホーム13試合の平均入場者数は約2037人。開幕前に集客目標としていた3300人の6割強にとどまる。
 リーグが昨年開示した昨季のチーム経営情報によると、仙台は約2319万円の黒字だった。しかし、今季はチケット収入が伸び悩んでおり、赤字は免れそうにない。
 B2リーグ東地区は東北の6チームが顔をそろえた。東北勢同士の試合はダービーマッチとして集客増が見込める。仙台は前半戦で3試合しかなかったが、後半戦は13試合ある。「年明けから巻き返す」(中村彰久球団代表)ともくろんでいたものの、20、21日にあった山形との2連戦は初日が2365人、2日目が2671人にとどまった。
 集客増を狙ったイベントは、試合前にミニバスケット大会を開いて保護者や親戚の来場を呼び込もうとするくらい。バスケの試合では定番と言える内容で、目新しさは感じられない。
 仙台はプロ野球、サッカー、バスケットボールとプロスポーツ3球団が競合する。B2仙台は東北楽天とベガルタ仙台を追い掛ける立場だ。
 社員数は東北楽天が120人、ベガルタ仙台が36人。それに対してB2仙台は14人と大きな差があり、営業力には限りがある。しかし、地元企業を回ると「他のプロチームに比べて熱意が伝わってこない」(スポンサー企業)という声もある。
 マンパワーに限りがあるからこそ情報発信に力を入れるべきだが、十分とは言えない。監督解任時の発表文書には後藤氏のコメントすらなかった。
 「基本的に解任の時は載せていないし、去る人に話を聞くのは忍びない」(広報担当者)と言うが、チームを離れるからこそブースターへメッセージを残したいはずではないか。何と人情味のない対応かと思い、慌てて後藤氏の携帯電話を鳴らしたほどだ。
 成績不振でも、ブースターは温かく見守っている。仙台市青葉区のクリスロード商店街は今年、初めてアーケードに横断幕を掲げるなど、地域が一体となってチームを支えようとする動きもある。
 球団はその期待にどう応えるのか。何かを始めるのに遅過ぎることはない。(スポーツ部 伊藤卓哉)

[Bリーグ移行後の仙台]初年度の昨季はB1で戦い、14勝46敗で東地区最下位。残留プレーオフも敗退して2部降格した。1年でのB1復帰を目指した今季は前半戦13勝15敗と低迷。昨年12月末に後藤敏博監督を解任した。東地区は秋田が独走。プレーオフに進出するにはワイルドカードを目指すしかないが、福島、山形にも及ばず4位にとどまっており、B1復帰は難しい状況となっている。