岸が8回無失点の好投で、今季初となる1-0の零封勝ちの立役者になった。一回からピンチに陥り、無走者で終えたのは五、七回だけ。8安打を浴びながらも粘って勝利につなげた。
 絶体絶命の窮地をしのいだ八回1死一、三塁が最大の見せ場。1死からの2連打で4番に回り、ほぼ阪神ファン一色の場内が沸く中、マイペースを貫いて福留をわずか1球で二塁併殺に切って取った。
 初球を投げる際、岸には読みがあった。「福留さんは最初からガンガン振ってくるだろう」。外角低めのボール気味の際どいコースを突いて凡打を誘う緩い変化球を選択した。
 嶋のミット目がけて投げると「ストライクゾーンに入ってしまった」と制球に誤差が出た。それでも福留が読み通りに打ちにきたため、打球は名手藤田の前へ。「運が良かった。うまく二塁に飛んでくれた」
 八回を終えて110球と完封も狙えそうなペースだった。だが、梨田監督の指示で最後は抑えの松井裕にマウンドを託した。監督にはやる気を見せ、「九回もいけますと言ってみたのですが」。とはいえ、自身は5勝目を挙げ、チームは交流戦を2連勝で終えた。「藤田さんに何度も助けられたし、勝ててよかった」と勝利の余韻に浸った。(金野正之)