1カ月ぶりにコボパ宮城は歓喜に包まれた。「お待たせしました」「(嶋の決勝打を見て)泣きそうでした」。則本がお立ち台で笑顔を見せた。3日のソフトバンク戦で泥沼の10連敗となるサヨナラ負けを喫した悔しさを晴らす粘投で、本拠地10連敗から脱した。
 苦しみながらもエースの仕事を果たした。四回、2四球を出した後の2死一、二塁、駿太の右翼線二塁打で同点を許した。五回も2死から2四球と乱れた。だが、五回に嶋の勝ち越し打で得た勢いを失うまいと、六回開始までの合間を縫ってブルペンへ。すると六、七回を無失点で終え、一気に勝ちムードに乗せた。
 「則本さんの悔し涙に感じるものがあった」と、新人藤平が5日の日本ハム戦で奮起し、球団ワーストとなる11の目前で連敗を止めた。「負けた自分が『勝ってこい』とプレッシャーを与えたのに応えてくれた」。翌日練習で再会し「よくやった」とねぎらう一方で、自らも奮い立った。「自分もやるべき仕事があると逆に学んだ」
 首位を争ったソフトバンクは優勝へ秒読み段階。それでも則本は「優勝を諦め、クライマックスシリーズで勝てばいいとかいう甘えは許されない」と闘争心をかき立てる。再浮上を期すイヌワシのエースがたくましさを増した。(金野正之)