左腕のけがで離脱した東北楽天の今江年晶内野手が、14日に始まる西武とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでの復帰へ調整中だ。ロッテ時代の2010年に史上初めてレギュラーシーズン3位から日本一に輝いた経験を持つ34歳の強打者は「短期決戦はどう転ぶか本当に分からない。当時の経験を若い選手たちに伝え、新しい風をいい方に吹かせられれば」と意気込む。
 7月27日のソフトバンク戦(コボパ宮城)で左腕を骨折し、翌28日に左尺骨プレート固定手術を受けた。約1カ月間の患部固定を経て、9月中旬に打撃練習を再開した。当初診断の「全治2カ月半」よりも回復が早く、4日からは2軍で通常の練習メニューをこなし、打撃、守備ともに軽快な動きを見せている。
 離脱当時、首位を快走していた1軍は8月中旬から急失速。敗戦を重ねる様子をテレビで見ながら、歯がゆさを覚えていた。「チームが苦しい時に、そこにいられないのは悔しい。CSには何としても間に合いたい、それだけがモチベーションだった」
 3位確定については「ロッテの時もそうだったが、3位なら失うものは何もない。捨て身で思い切って楽しくやれば、いい方向にいく」と悲観はしていない。
 10年のロッテは「下克上」を合言葉に3位からCSを勝ち上がり、日本シリーズで中日を破って日本一となった。05、10年の2度、日本シリーズMVPに選ばれた勝負強さを誇る今江は「CSはシーズンとは全く別もの」と前向きに語る。
 まずは9日から宮崎県で行われる2軍の秋季教育リーグ(フェニックス・リーグ)に出場して実戦感覚を取り戻し、1軍合流を目指す。「下克上」を知る男が、東北楽天で再び奇跡の歴史をつくる。(浦響子)