東北楽天が秋季キャンプ(岡山県倉敷市)で走塁練習に力を入れている。今季は外国人トリオを中心とする重量打線がリーグ3位の135本塁打を放ち、4季ぶりのクライマックスシリーズ進出に導いたが、盗塁は同5位の42にとどまった。走塁の技術と判断は機動力や得点力の向上につながるだけに、首脳陣は「貪欲に次の塁を陥れる意識を植え付けたい」(平石ヘッドコーチ)と躍起だ。

 梨田監督らが合流した第2クール1日目の7日は走塁練習に1時間弱をかけ、8日は最短距離でベースランニングするための技術を学んだ。打った直後に一塁を回って二塁を狙ったり、一塁から一気に三塁を目指したりするなど、一つでも先の塁に到達する走り方の習得に取り組んでいる。
 「外国人の本塁打が出る前に走者がアウトになったら、得点が減ってしまう。だから積極的に走れない」。ある主力選手が明かすように、打線の爆発力が思い切った走塁をためらわせる一因になっていたという。
 今季日本一になったソフトバンクとの攻撃力の差は走塁面。立石内野守備走塁コーチは、日本シリーズ第2戦の一回1死二塁、デスパイネの左前打で二走柳田が生還した場面に触れ、「今季のわがチームなら慎重に三塁でストップだった」と指摘。「走塁は脚力とともに判断力がものをいう。足が速いか遅いかは関係なく、積極的な走塁に取り組んでほしい」と注文する。
 選手の意識も徐々に変わり始めた。昨季の10盗塁から今季3盗塁に減った島内は「日本人選手がもっと走るんだという方向に変わらないといけない」と話す。今季代走出場が多かった田中も、新任の清水外野守備走塁コーチの「盗塁を狙っての失敗ならいい。むしろ挑戦しないことを注意する」との言葉に背中を押された気持ちになったという。田中は「走塁技術を磨き、もっとチームに貢献できるようにしたい」と意欲を示した。(金野正之)