テレビ番組「プロ野球ニュース」で育った世代なので特番「珍プレー好プレー大賞」が楽しみだ。35年目という先日の放送には野鳥大群の飛来で中断した試合など東北楽天の珍場面も。
 この番組のレジェンドが立石内野守備走塁コーチ。1984年、南海(現ソフトバンク)の三塁手で隠し球を成功させ、同年の大賞に輝いた。直前の守備の後グラブに球を残したまま、油断して三塁を離れた走者にタッチした。観察力と演技力がいる頭脳プレーだった。
 珍プレーは80年代、野球少年に選手名で呼ばれるほど人気だった。飛球を捕れずヘディングするのは「宇野(中日)」。同様に隠し球は「立石」。「人気のセ、実力のパ」と言われた時代、オールスター戦や日本シリーズに縁がないパ・リーグ選手には、「珍プレー好プレー大賞」はテレビに映る貴重な機会だった。
 「立石」で得た大賞賞金の50万円の半分は母親へ。残り半分で金色のネックレスを買った。「33年、肌身離さず下げてるで」。立石コーチはユニホームの下に隠していた「勲章」を誇らしげに見せてくれた。(金野正之)