「おかえりなさい」。11月30日、8季ぶりに東北楽天に復帰した渡辺直の入団会見。聞き手役のミヤギテレビ伊藤拓アナウンサー(45)は感極まり、両目が真っ赤だった。夕方の自社番組で「おばんでーす」と言っている明るい姿とは全くの別人だった。
 「ただいま、です」。渡辺直も両目がしっかり潤んでいた。2010年オフに突然の金銭トレードで横浜(現DeNA)に移籍して7年。二人は濃密な時間を過ごし、絆を深めてきた。
 退団会見で渡辺直が号泣するなど湿っぽい形の移籍だっただけに、伊藤さんは当時「気持ちよく送り出そう」と異例の送別会を企画した。地元の新聞、テレビ全社から20人ほど集まり、激励の寄せ書きも託した。それに終わらず、オフに渡辺直が来仙した際などには、毎年必ず食事会を開き「何年先でもいいから、必ず帰ってこいよ。待っているから」と思いを伝えていた。
 二人の涙腺は約20分間の会見を何とか持ちこたえた。二人と歩みを共にしたこちらが「我慢比べでしたね」と冷やかすと、両人そろって「だから、泣いてないってば」と笑った。(金野正之)