悲しみを乗り越え、闘将にプレーで報いるしかない。星野氏が東北楽天の監督に就任した直後、2010年秋のドラフト会議で1位を引き当てられた塩見は「たくさん怒られたけど、感謝しかない。しっかり恩返しできるように活躍したい」と誓った。
 午前中から室内練習場を訪れ、キャッチボールなどで約1時間、体をほぐした。「突然のことで信じられない」。恩師の訃報に動揺しつつ白球に集中した。
 「昨夜はいろんなことを思い出した」。ドラフト1位の交渉権獲得の札に「歴史の立役者になれ」とのメッセージをもらったこと。新人の年、2カ月勝てなかった時期も辛抱強く使ってもらったこと。監督室に連日呼ばれ、周囲が心配するほど怒られたこと。
 2年目の秋季キャンプは菊池、辛島、戸村、釜田と当時の若手投手5人組で「闘将ファイブ」と呼ばれ、連日1時間半の猛ノックを受けた。「きつかった」と振り返りながらも「今につながっている」と言う。「だけど、全然活躍していない。恩返しできていない」と目を赤くして話した。
 昨季はクライマックスシリーズで好投したが、けがで出遅れて3勝3敗と不本意だった。「まずは、けがなく開幕を迎えること」。はやる気持ちを抑え、8日に渡米して大リーグで活躍する岩隈と恒例の自主トレに入る。(野仲敏勝)