19日に開幕する第89回選抜高校野球大会の開会式で、岩手県矢巾町の不来方(こずかた)高3年竹内菜緒さん(18)=盛岡市=が国歌独唱を務める。同校野球部は部員10人ながら、21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。竹内さんは野球部との「ダブル出場」を喜び「一緒に岩手を元気づけたい」と練習に励んでいる。
 竹内さんは同校の音楽コースで声楽を専攻。昨年12月に横浜市であった全日本学生音楽コンクール全国大会に出場し、声楽部門高校の部で1位に輝いた。
 音楽部に3年間所属し、合唱にも打ち込んだ。同年10月の全日本合唱コンクール全国大会では、2年連続となる最高賞の文部科学大臣賞を受賞。実績の数々が大会運営委員会に評価され、国歌独唱の大役に抜てきされた。
 竹内さんにとって、球場で国歌を披露するのは2回目。昨年5月に岩手県営野球場(盛岡市)であった東北楽天-オリックス戦で、音楽部の仲間40人との合唱を経験した。
 指導する音楽部顧問の村松玲子教頭(59)は「開会式は大観衆を前にしての独唱なので不安だと思う。でも、本番に強くて努力を惜しまない彼女なら大丈夫」と見守る。
 竹内さんは1日に卒業式を終えた後も連日、学校に通って練習を重ねる。4月に東京の国立音楽大に進学し、国内外で活躍する声楽家を目指すという。
 竹内さんは「開会式は不来方高の制服を着て立てる最後のステージ。選手に勇気を与えられるよう自信を持って歌う」と意気込む。