第99回全国高校野球選手権大会で、仙台育英(宮城)盛岡大付(岩手)が20日の準々決勝で敗退し、東北勢の夏が終わった。6校のうち4校が初戦を突破し、10年連続で8強入りを果たした。実力は着実に上がっている。
 仙台育英は春の覇者大阪桐蔭に九回2死無走者から逆転サヨナラ勝ちするなど、粘り強さが光った。主戦長谷川は1~3回戦に先発、準々決勝は救援登板し、今大会は防御率1.48。2回戦の日本文理(新潟)戦は7安打完封。3回戦も大阪桐蔭の強力打線を1点に抑えたことが奇跡の逆転劇を呼び込んだ。
 盛岡大付はフルスイングを貫いた打線が印象に残った。3番植田は3回戦済美(愛媛)戦で2打席連続本塁打。特に試合を決定付けた十回の一発はバックスクリーンに飛び込む豪快な一振りだった。しかし、打線はやはり水ものなのだろう。準々決勝の花咲徳栄(埼玉)戦は打ちあぐねてしまった。
 聖光学院(福島)も3試合15得点と打線が好調だった。3回戦の広陵(広島)戦は、優勝候補相手に控え投手2人をうまくつないでかわし、勝利まであと一歩のところまで迫った。斎藤監督の手腕を感じさせる試合だった。
 青森山田は2回戦から登場して3回戦敗退。2試合とも無失策で堅守が光ったが、打線が湿った。明桜(秋田)は初戦の2回戦で姿を消した。秋田大会の決勝で肩を痛めた2年生の主戦山口航が登板できなかったのが痛かった。日大山形は明徳義塾(高知)と共に13安打の打撃戦を演じたが、失策から勝ち越し点を許して初戦で姿を消した。
 今年も大旗が白河の関を越えることはできなかった。しかし、大阪桐蔭や昨夏の覇者作新学院(栃木)を破り、レベルの高さを全国に示した。
 盛岡大付の関口監督が準々決勝敗退後、「東北には優勝旗が来ないという負の歴史に縛られている」と話していたのが強く印象に残る。技術だけではなく、慣れない暑さの中での連戦や、球場の雰囲気にのみ込まれない心の強さを育むことも必要だろう。
 来年の大会は記念大会として神奈川、愛知、大阪など7府県が2校出場となり、史上最多の56校で覇権を争う。より厳しい戦いになるが、100回の節目に歴史をつくるチームが登場することを期待する。(今愛理香)