高校野球の戦力強化に向けて、秋田県教委や同県高校野球連盟などが一丸となって取り組む「秋田県高校野球強化プロジェクト」が今年で7年目を迎えた。プロ選手の技術を解析している研究者の講習会などを通じ、競技力向上を促進。今秋の東北大会では能代松陽が準決勝に進出し、初出場の由利工も8強入りするなど成果を上げつつある。
 秋田中央高で18、19日にあった講習会には、23校の投手49人が参加。プロ野球東北楽天で約2年間、則本昂大投手らの投球を分析した国学院大の神事(じんじ)努准教授(バイオメカニクス専攻)が、選手たちの投球動作をビデオ撮影し、解析した。
 神事准教授は「回転数は少ないが、球筋は良い」などと講評。蓄積しているプロ選手のデータと比較した詳しい解析結果を、来年1月に伝える。
 参加した秋田南の谷藤大成投手(2年)は「分析結果を練習に生かし、変化球の精度を上げたい」と期待する。
 プロジェクトは2011年度に5カ年計画でスタート。秋田県勢は夏の甲子園で、10年まで13年続けて初戦敗退を喫しており、低迷からの脱却を目指した。計画期間は18年度まで3カ年延長。本年度は約500万円の予算を計上し、講習会のほか春の県大会8強校や甲子園出場校への訪問指導なども重ねている。
 開始当初の「5年で甲子園4強」という目標には届いていないが、ロッテで活躍する成田翔投手(秋田商出)や今年の広島に育成ドラフト2位指名された藤井黎来投手(大曲工)らを輩出した。
 神事准教授は「転勤が多い公立校の指導者同士で、指導の共通認識を持てるようになったことも大きい」と一定の成果が得られたことを強調する。
 その一方、少子化などの影響で県内の高校野球人口は年々減少。部員数は08年度の2157人から、本年度は1903人に減った。裾野の拡大に向け、16年度から中学1、2年生向けの指導や小学生と高校生の交流などにも取り組む。
 県教委の担当者は「今後は野球を始めてもらうための取り組みも考えないといけない」と対策を急いでいる。(今愛理香)