菊池雄星(西武)、大谷翔平(米大リーグ、エンゼルス)に続く「怪物」西舘がチームを支える。出世番号の17を1年から背負うのは偉大な2人の先輩と同じだ。
 秋の東北大会は3試合で20回1/3を投げて防御率1.33と安定。最速142キロ、181センチの長身から投げ下ろす姿は既に大物感を漂わせる。
 「指先の感覚が優れ、変化球の精度は雄星や大谷を超える」。佐々木監督は高い潜在能力を認め、あえて投球フォームをいじらない。高校生でも一般的なウエートトレーニングを取り入れないのも特徴的だ。水泳などで腕の可動域を広げることに重点を置いてきた。
 監督からの宿題は「とにかく食べること」。一日のノルマはご飯を丼で10杯。朝昼晩に加えて、練習の合間に欠席者の余った昼食や、マネジャー手作りのおにぎりを頬張る。
 もともと小食だっただけに「ちょっとつらい」とこぼすが、入学時60キロ台だった体重は77キロに増えた。下半身の安定感が増し、球速は約20キロ伸びた。佐々木監督は「大きい体としなやかさを身に付けて、もう一段階上の投手を目指してほしい」と期待する。
 大谷に憧れて入学し、初めて甲子園のマウンドに立つ。普段は口数が少ない16歳は「偉大な先輩も果たせなかった日本一になる」と闘志をみなぎらせる。

◎層厚い継投陣強み

 タイプの違う多彩な各投手をつなぐのが勝ちパターン。「柱となる投手はいないが、さまざまな角度から戦略を立てられる」(佐々木監督)のが強みだ。
 昨秋の東北大会では右の西舘、左の田中を先発に起用して防御率は2.75。決勝の聖光学院戦で登板した平山らも含めた継投陣は厚みを増してきており、どの投手を起用するかによって戦略の幅が広がっている。
 打線は東北大会で打率5割の4番紺野が引っ張る。「計算ができるタイプで逆方向にも打てる」(佐々木監督)。パワーに加えて器用さも持ち合わせる。紺野の前後で打線がつながるかどうかが攻撃の鍵となる。
 春は6年ぶり3度目の出場となる。菊池雄星の力投で決勝まで上り詰めた2009年の快進撃は東北の高校野球ファンに鮮烈な印象を与えた。「強い花巻東を取り戻す」を今年のテーマに頂点を狙う。

部長 流石 裕之
監督 佐々木 洋    身長  体重 投打
 投 田中 大樹(3) 175 74 左左
 捕 佐藤 千暁(3) 181 76 右右
 一 小松平 樹(3) 182 80 右右
 二 阿部 剛士(3) 173 67 右右
◎三 菅原 颯太(3) 170 73 右右
 遊 谷  直哉(3) 171 63 右左
 左 上戸鎖飛龍(3) 178 76 右左
 中 菅野 豪琉(3) 173 72 右右
 右 紺野 留斗(3) 180 83 右右
 補 平山 涼太(3) 172 71 左左
   伊藤  翼(3) 174 74 右右
   藤森 晃希(3) 170 70 右右
   瀬戸 雄貴(3) 175 73 右左
   八幡 尚稀(3) 159 60 右左
   菊地 大成(3) 168 64 右左
   中村 勇真(2) 183 80 右左
   西舘 勇陽(2) 181 77 右右
   中森  至(2) 166 67 左左
〔注〕◎は主将、丸数字は新学年、身長はセンチ、体重はキロ