東日本大震災から6年の11日、J1仙台は仙台市のユアスタ仙台で阪神大震災を経験した神戸と対戦した。復興の象徴として戦いを続ける両チームを、双方のサポーターは懸命に応援。共に被災を乗り越えて存分に応援を楽しむ喜びをかみしめた。
 1万4369人が来場。金色の仙台、えんじ色の神戸のレプリカユニホームを着て声をからした。
 仙台サポーターの主婦小野律枝さん(54)は、宮城県亘理町の沿岸部にあった自宅が津波で全壊した。「チームの存在が心の励みとなった。希望の光であり続けてほしい」と願う。
 神戸サポーターで神戸市の会社員小林一博さん(57)は22年前に震災を経験。「あの時を思うとサッカーを観戦できる幸せを感じる。今回は両チームを応援したい」と感慨深げだった。
 二つの被災地をつなぐ演出もあった。観客席前の復興きずなLEDビジョンには神戸のサポーターが寄せた「応援しています」「いつもそばにいるよ」などのエールを表示。歌手のMay J.さんは復興支援ソング「花は咲く」を歌い上げた。
 試合は後半の2失点が響いて仙台が完敗したが、サポーターは選手に拍手と「ベガルタ仙台」のコールで奮闘をたたえた。渡辺晋監督は「この日に神戸と戦えたのは何かの運命。勝てず悔しいが、復興のシンボルとして上を向いて強くあり続ける」と決意を語った。

◎ユアスタに献花台

 11日、J1仙台-神戸戦が行われたユアスタ仙台に献花台が設けられ、サポーターらが震災犠牲者の冥福を祈った。
 献花台は午後1時にスタジアム北側に設置された。仙台サポーターで、夫婦で献花した山形市の会社員藤原雅樹さん(48)は「被災して今も試合を見られない人がいると思うと言葉にならない。チームにはプレーで被災者を励ましてほしい」と願った。
 地震発生時刻の午後2時46分にはJリーグの村井満チェアマン、仙台の西川善久社長、神戸の田中健一社長らが黙とうの後に献花した。西川社長は「復興は道半ば。被災地に元気や勇気を届けるにふさわしい試合を続けていきたい」と強調。田中社長は「(両チームとも被災した事実を)いつまでも風化させないことを胸に秘め、戦わないといけない」と気を引き締めた。