サポーターが直近2試合の敗戦に拍手を送った理由は、リードされても必死に食い下がる勝利への執念があったからだ。だが、この日は3連敗中の神戸に見せ場をつくれず完敗。さすがに、容赦ないブーイングが巻き起こった。
 前半29分。相手のパス回しを止められず、守備が翻弄(ほんろう)された。ゴール前にできた空間に駆け上がった神戸の三原がフリーとなり、すんなり決められた。
 先制点の献上は4試合連続だ。渡辺監督は「ここ数試合の中で一番腰が引けていた。怖がってボールを受けようとしない選手が11人の中に1人でもいれば、ボールは動かない」と語気を強めた。
 2分後、また失点した。富田は「(先制された)失点の仕方があまりにあっさりで(全体的に)がくっとなってしまう。前を向いて鼓舞する選手も少ない」と声を落とす。
 攻撃は一本調子で迫力を欠き、8試合ぶりの無得点。右足首の大けがで今季絶望の永戸に代わり、左ウイングバックに入った中野は「チーム全体で何がしたいのか分からなかった。自分も持ち味を出せなかった」と放心したように語った。
 次戦のホーム柏戦まで約3週間の中断期間に入るのが、不幸中の幸いか。「戦い方をもっと突き詰めないといけない。共通意識を高めたい」。渡辺監督は危機感を隠さなかった。(狭間優作)