敗退が決まった瞬間、多くの選手がその場に立ち尽くした。負けても条件次第で決勝に進めた一戦をものにできず、渡辺監督は「私に力があれば追い付けた」と敗戦の責任を背負った。
 是が非でも欲しい先制点は川崎に入った。出だしから仙台のプレーはどこかかみ合わない。相手が1人退場した7分後の後半14分、中野のゴールで1点差とした後も好転しなかった。
 業を煮やした渡辺監督は後半25分に野沢を投入したが「私の采配でバランスを崩してしまった。もう少し、じれずに戦い方を継続すべきだった」と声を落とす。三田は「バランスを崩してでも(点を取りに)いくのだと思った」とベンチのメッセージを受け取った。
 各選手が猛然とゴールに迫るが、連係が悪く、決定機をつくれない。奥埜は「意思統一ができていなかった」。数的有利となった後半のシュートは5本と、前半より2本少なかった。
 戦術では埋め切れない戦力差があった。エース石原を出場停止で欠き、主将富田、梁勇基、椎橋らが相次いで負傷。前日の大学リーグ戦にフル出場したジャーメインも後半途中に送り出さざるを得なかった。
 慣れないシャドーストライカーで見せ場をつくった中野は「もう一段階上のレベルが必要だったということ」と、自らに言い聞かせるように語る。死力を尽くした戦いを、チームの成長につなげたい。(狭間優作)