策を弄(ろう)した名古屋を、練習通りのプレーを貫いた仙台が打ち破った。象徴的だったのが前半の2ゴール。繰り返し思い描いたイメージを形にした。
 23分の先制点。ポイントは西村のロングキックだった。自陣右サイドでボールを持つと、中央を走る石原を狙ったクロスは逆サイドを駆け上がる永戸へ。結果として決定的なクロスを上げるきっかけになった。
 西村は「たまたまうまくいってよかった」と苦笑いするが、アーリークロスは練習で何度も繰り返した形。永戸は西村のパスのタイミングや角度を感じ取っていた。「流れてくるかもと思い、走り切った」。あうんの呼吸が生んだ得点だ。
 37分の2点目も狙い通り。椎橋の左クロスは右ウイングバックの蜂須賀へ。ジャーメインがDF3人を引き付けてできたスペースを突いて頭で折り返し、最後は西村が決めた。西村は「練習で取り組んだことが少しずつ試合に出ている」と胸を張る。
 前半は理想に近い展開だった。ハイプレスからボールを奪い、リズムを保ち続けた。普段4バックの名古屋は仙台が苦戦している3バックを採用したが、急造のシステムに戸惑うほどやわではなかった。
 けが人が続出し、動けるフィールドプレーヤーは全員帯同した。満身創痍(そうい)のチームが、組織力で貴重なアウェー勝利をつかんだ。(佐藤夏樹)