山形県南の「置賜地域インバウンド促進会議」(代表・鈴木正昭小国町観光協会長)が、台湾からの個人旅行者向けに、タクシーやバスに設置できる中国語の音声案内システムをつくり、19日から置賜地方を視察する台湾の旅行関係者らのツアーで試験運用する。通訳や外国語案内表示が絶対的に不足している地域事情をカバーする取り組みで、旅行者の困り事や相談に中国語で対応する緊急携帯電話システムの構築も進めている。
 音声を再生する「サンプラー」と呼ばれる機材を使い、事前に別の機器で録音しておいた観光案内情報を車内で流す。
 観光案内情報は目的地1カ所当たり、(1)到着するまで(2)到着した時(3)観光が終わり、再び車内に観光客が乗り込んだ時-の3種類が基本パターンとしてある。
 上杉神社(米沢市)や高畠ワイナリー(高畠町)、赤湯温泉(南陽市)など置賜地方の観光地を網羅。その魅力の紹介に加え、基本的な地理情報やルート別の案内など、計50種類ほどの情報を用意した。
 台湾人観光客は周遊で置賜地方を旅するケースが多いため、山形蔵王やかみのやま温泉など近隣の主要な観光地も紹介する。「こんにちは」「楽しかったですか」といった会話のような言葉も交え、親しみやすさを演出する。
 案内役として音声を吹き込んだのは、川西町在住の台湾人女性。試験運用のツアーは4日間で、客の反響や関係者の助言を集約する。観光シーズンが始まる5月の大型連休から、まずタクシーでサンプラー4、5台を本格運用する方針。
 同じ時期に緊急携帯電話システムの運用も始める。旅行会社とタイアップして、予約した台湾人旅行者を対象に音声案内役の女性が携帯電話で対応する。
 プロジェクトを担当する飯豊町観光協会の二瓶裕基さん(42)は「増えつつある台湾人観光客のニーズを先取りした形で環境を整え、置賜の旅を楽しく満足してもらえる内容にしたい」と話している。
 山形県の調査では、2015年度に置賜地方を訪れた外国人旅行者は5727人で、うち台湾人は3891人。年々増加傾向にあるインバウンド(訪日外国人旅行者)への対応が課題になっている。