福島県が東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者への住宅無償提供を3月で打ち切る方針を受け、山形県米沢市が独自支援策として設けた市営住宅入居時の敷金免除が、退去時に敷金から支払われる修繕費の免除を含まず、入居者の負担となることが16日、分かった。事実上、支出が先延ばしされるだけで、支援関係者から「これでは免除ではなく後払い」と疑問の声が上がっている。
 避難者に提供される市営住宅の敷金は約2万8000~約15万3000円。通常は入居時、管理者に保証金として支払い、退去時に畳や障子の張り替えなどの修繕費に充てられる。
 避難者を対象とした市営住宅募集要項には敷金について「免除」とだけ記され、修繕費には一切触れていない。担当の都市整備課は「問い合わせや申し込みがあった時、口頭で内容を伝える。一般入居者との公平性を考慮し、利用後の手続きはあくまで実費負担でお願いする」と説明する。
 こうした市の対応に、支援活動に当たる市議は「本当に支援しようと考えているのか疑問で、ずさんな内容だ」と批判する。
 中川勝市長は昨年11月、市営住宅25戸を無償提供する方針を示したが、公平性を理由に今年1月に撤回。市民向けの入居要件にほぼ沿った内容に変更し、敷金免除を支援の柱とした。
 16日に開始した入居者募集でも当初は契約時、自主避難者が米沢市に住民票を移すこととしていたが、入居後2年以内に変えるなど対応は二転三転した。
 今月2日現在、福島県から米沢市に自主避難しているのは143世帯458人。