東京電力福島第1原発事故の除染事業を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された環境省福島環境再生事務所の専門官鈴木雄二容疑者(56)=南相馬市原町区桜井町1丁目=が、除染工事を監督する立場を利用し、贈賄側業者の工事参入を元請けに働き掛けた疑いのあることが3日、福島県警などへの取材で分かった。
 環境省によると、鈴木容疑者は浜通り北支所(南相馬市)で、福島県浪江町の除染工事などを担当。仮置き場の管理や進捗(しんちょく)状況の確認といった監督業務に当たり、元請けと日常的に接触していたという。
 県警は、鈴木容疑者がこうした職務権限を利用、贈賄容疑で逮捕した無職小杉幹雄容疑者(63)=富山県高岡市=が社長を務めていた土木建築会社「大開工業」(高岡市)が2次下請けとなれるよう、ゼネコンなどによる元請けの共同企業体に口添えしたとみて詳しい経緯を調べている。
 環境省によると、大開工業は2016年2月以降、浪江町内の3行政区の除染工事を担当。鈴木容疑者は任期付き職員として15年4月に採用される以前、民間企業の従業員として除染作業に従事していたという。
 鈴木容疑者の逮捕容疑は15年9月~16年6月ごろ、便宜を図った見返りに、小杉容疑者から飲食や旅行など計約25万円相当の接待を受けた疑い。県警と警視庁は3日、2人を送検した。
 事件を受け、環境省の小林正明事務次官は同日、福島市の福島環境再生事務所で「信頼を揺るがす結果になった」と述べ、職員に法令順守の徹底を求めた。