フラワー長井線(山形県白鷹町-南陽市間30.5キロ)を運行する第三セクター山形鉄道(長井市)が新年度、18歳以上の男女を対象にした「1日入社体験」を商品化する。旅行代理店を通し、毎月2回程度の通年企画で売り込む方針。5月の大型連休明けにもスタートさせる。車両基地のある白鷹町は、ふるさと納税の返礼品に取り込み、5月28日に10人限定の体験ツアーを行う計画だ。
 1日入社体験は、山形鉄道の制服に着替えた参加者が、特製のネームプレートを着用して入社式に臨んだ後、改札や車内放送など車掌や駅長の業務を体験する。車両基地見学やラッセル車への乗車もあり、最後に体験入社修了書が授与される。昼食では米沢牛入りの特製弁当を味わえる。
 今年の正月、流通大手イオンが東北6県限定の初売り福袋として店舗で1日入社体験を1万円で販売したところ、定員5人に対し約40人の応募があった。反響の大きさに山形鉄道は商品価値を見いだし、食事をグレードアップしたり記念グッズを付けたりするなど内容を充実させ、2万円程度で売り出す方針だ。
 一方、白鷹町はふるさと納税のうち4万円以上5万円未満の寄付金の新規返礼品にする予定で、今月中旬にも町のホームページで告知する。5月末の第1弾の反響を見て内容を再度検討し、夏休みや冬休みなどに家族ツアーのような形で定着させたい考えだ。
 町企画政策課の片山正弘係長は「新年度の返礼品の目玉と考えている。ほかの返礼品とは違い、寄付していただいた方々に、フラワー長井線を通して白鷹町を直接体感してもらえる。宿泊施設や観光施設との連携で、交流事業に発展できる」と話す。
 初売り福袋のツアーは今月4日行われ、山形県内外から訪れた男女5人が鉄道職員を疑似体験して好評だった。山形鉄道の町田純一営業企画課長は「全国に数多くいる鉄道ファンに喜んでいただける企画と考えている。随時内容を更新しながら独自性と魅力を出していきたい」と意気込む。