東日本大震災からの復興を祈り、般若心経の一文字一文字を陶器の皿に刻んだ「般若心経皿」の個展が、一関市花泉町のギャラリーエスアンドエヌで開かれている。
 同町を拠点とする陶芸家の井上哲治さん(59)が震災後、犠牲者の鎮魂のために般若心経皿数百枚を焼き、東京都と仙台市で個展を開いて販売してきた。個展は2015年に休止したが、震災記憶の風化への危機感から、震災6年となる今月、新たな作品も入れて初の地元開催に踏み切った。
 直径約30センチの皿はどっしりと重く、器の下側に鉄筆で刻まれた漢字一文字が浮かび上がる。井上さんは「津波で家族を亡くした知人の『自分たちは忘れられていく』の一言が、活動の原動力となっている」と話す。
 1皿3000円で、売り上げは公益財団法人「みちのく未来基金」に全額寄付される。会場は週末のみのオープンで、18~20日が最後の開催となる。