山形県新庄市を舞台にした映画「赤い雪 Red Snow」(甲斐さやか監督)の撮影が市内各地で進められている。豊富な積雪と昭和の趣が残る情景が、物語に深みを加えることになりそう。新庄フィルム・コミッション(FC)が2015年に発足して以降、市内がメインのロケ地になるのは初めて。
 「赤い雪」は、甲斐監督が独自に脚本を書き上げた。雪国での一人の少年の失踪事件を発端として、「自分の曖昧な記憶のせいで弟がいなくなった」と自責の念に駆られる少年の兄、事件に関わったと疑われる女性の娘が主役。30年後、事件を追う新聞記者の登場を機に、事件の真相が明らかになる。
 主な出演者は永瀬正敏さん、菜葉菜さん、井浦新さん、佐藤浩市さん、夏川結衣さん。
 甲斐監督は「雪が重要な鍵を握る作品なので、(雪国)独特の雰囲気がいいと思った」と、新庄市をロケ地に決めた理由を説明。「人間の記憶は実に曖昧で、人生もまた曖昧だと言える。真実は何だったのかを考えてもらう内容になる」とも言う。
 新庄市役所や市内の商店、空き家のほか、隣接する大蔵村の肘折温泉、庄内地方などでもロケをし、18日に撮影を終わらせる予定だ。今夏までに作品を完成させ、海外映画祭へ出品し、日本では2018年の公開を目指す。
 甲斐監督は東京都出身。メガホンを取った短編映画「オンディーヌの呪い」で、14年の山形国際ムービーフェスティバルの準グランプリを獲得した。今回が長編デビューとなる。
 映画を誘致した新庄FCの関浩紀さん(41)は「メインロケ地に決まったことで次の誘致に弾みがつく。この映画は海外に向けて発信されるので、インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加にもつながってほしい」と期待する。