秋田県知事選(4月9日投開票)は23日の告示まで1週間となり、共に無所属で、現職の佐竹敬久氏(69)と前知事の寺田典城氏(76)による前哨戦が熱を帯びる。15日には共産党新人で元県議の山内梅良氏(69)が参戦を表明、三つどもえの様相となった。佐竹、寺田両氏は1997年の知事選でも激突しており、互いを意識した舌戦が激しさを増してきた。
 「子育て新税の提案時、市町村に説明がなかった。同じことを私がすれば、少し違った展開になったと思う」。佐竹氏は9日の定例記者会見で、寺田県政時代の2008年に頓挫した新税構想を引き合いに、自らの行政手腕を誇示した。
 佐竹氏の発言に、寺田氏はすかさず反応した。翌10日の事務所開きでの記者会見で「佐竹流の政治手法には耐えられない。佐竹氏は『私ならあのようにはならない』と言ったようだが、そう言うのなら今やればいい」と応酬した。
 両氏が戦った97年の知事選では寺田氏が初当選。佐竹氏は01年の秋田市長選にくら替えし、当選した。
 3期務めた寺田氏と、その後の2期を担う佐竹氏の県政運営は対照的だ。
 佐竹氏は「議会と執行部がいらぬことで対立すると、県民がまとまりにくくなる」と県議への事前説明を欠かさない。寺田氏は根回し抜きの姿勢が目立った。本人は意に介さないが「突然の提案で議会と対立する場面があった」(自民党県議)と指摘される。
 国との関係も、佐竹氏が「協調」、寺田氏は「対峙(たいじ)」と正反対だ。
 佐竹氏は寺田県政を振り返り、「国、大手企業との関係がうまくいっていなかった。秋田市長として県のことで謝りに行ったものだ」とやゆする。寺田氏は「国とのパイプからは泥水も流れてくる。対峙すべき時はしないといけない」と佐竹氏の姿勢を皮肉る。
 選挙戦では両氏の個性がそのまま表れそうだ。
 佐竹氏は「みんなの一歩で秋田が動く」と訴え、政党や団体から幅広く支持や推薦を得て組織戦で臨む。寺田氏は「(米シンガー・ソングライターの)ボブ・ディランさんじゃないけれど風に吹かれるままだ」と組織に頼らない構えだ。