河北新報社と福留邦洋東北工大准教授(まちづくり復興学)の研究室が実施した東日本大震災の復興基金調査で、基金用の財源を国から交付された青森、岩手、宮城、福島各県の計131市町村のうち41市町村(31%)が、2015年度までに使い切ったか、ほぼ残額がないことが15日、分かった。基金による事業立案の際、53市町村が復旧を重視し、創造的復興に力点を置く33市町村を上回った。
 岩手、宮城、福島各県の全市町村と青森県4市町を対象に、16年度以降の基金執行状況と予定を尋ねた回答はグラフの通り。83市町村が15年度までの事業内容の継続とし、新たな使い道を考えているのは7市町にとどまった。
 基金はニーズの変化に対応しやすい特性があるが、当面の復旧対応に活用されているのが主流。震災発生から6年がたち、復興の段階が変わる中、将来を見据えた創造的復興を意識した活用になかなか及んでいない状況をうかがわせた。
 震災後、復興基金を創設したのは120市町村。既存の基金に積み立てたのが7市町、残り4市町は単年度の事業に充て執行した。
 復興基金を持つ120市町村のうち、48市町村が寄付金や復興宝くじ、一般財源なども繰り入れた。
 未執行額を含めた131市町村の基金などの総額は約2220億円で、執行率は50.1%となった。積立総額が最大だったのは仙台市震災復興基金で約327億円。宮城県を通じて交付された約94億円に、職員の給与の一部削減分約52億円、寄付金約25億円などを加えた。
 自治体が基金を活用し、国の支援制度の対象を独自に広げたり、助成金を増やしたりして被災者支援の格差縮小に取り組むケースも目立った。
 基金について課題があると回答したのは21市町村。具体的な課題としては「自治体間のサービス合戦に陥る可能性がある」「新たな事業を立案する余裕がない」などを挙げた。

[調査の方法]取り崩し型復興基金の原資として国の特別交付税の交付を受けた東北被災4県の計131市町村を対象に実施。復興基金の有無、2015年度までの執行状況、事業立案の手法や課題などを聞いた。調査用紙を昨年12月にメールと郵便で送り、今年3月上旬までに全131市町村から回答を得た。