相次ぐ北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、政府は17日、日本領域への落下に備えた初の避難訓練を男鹿市北浦地区で実施した。秋田県、同市との共催で、県、市の職員や住民ら約170人が参加した。
 訓練は秋田県沖約20キロの領海にミサイルが落下したと想定。全国瞬時警報システム(Jアラート)などを通じ、国が発射情報を県と市に伝達した。落下予測地点の情報が伝えられると、市は防災行政無線と登録制の市防災情報メールで、海に面した北浦地区の住民ら約120人に公民館と北陽小への避難を呼び掛けた。
 北陽小では、児童44人を含む住民70人が演習に加わった。避難を促す放送が流れると、教職員らが真剣な面持ちで校庭にいた児童らを体育館へ誘導した。
 参加した同市の主婦鷲谷文子さん(74)は「ミサイルが発射される度に恐怖を感じていた。訓練を通して万が一の場合に備えたい」と話した。同小の菊池晋校長(56)は「スムーズに避難できた。児童の命を守るために、防災意識を高めていきたい」と語った。
 訓練は、昨年8月に北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」が男鹿半島沖約250キロの排他的経済水域に落下したのを受けて、政府が県に提案した。
 北朝鮮は昨年、20発を超す弾道ミサイルを発射。今月6日にも4発発射し、男鹿半島沖の日本海に落下した。政府はJアラートを使った自治体向けの速報訓練は行ってきたが、住民も参加する避難訓練は初めて。
 内閣官房危機管理担当の小谷敦参事官は「住民に情報伝達後の行動へ理解を深めてもらう必要がある。他の自治体にも訓練の実施を働き掛けていく」と話した。