陸前高田市の高台に整備した岩手県内最大の災害公営住宅「県営栃ケ沢アパート」(301戸)に17日、自治会が設立された。昨年8月の入居開始から約8カ月。顔も知らなかった住民同士が主体的に組織やルールづくりの議論を重ね、発足にこぎ着けた。
 同日の設立総会には、入居する227世帯のうち130世帯が出席。委任状提出の72世帯を大きく上回った。24人の役員案や規約案を承認し、自治会長兼行政区長には自営業紺野和人さん(65)が就いた。
 同アパートには市内各地や近隣市から入居する。持続可能な自治会を目指し、県は市、岩手大などと行政ではなく住民主導の組織づくりに力を入れた。互選した準備委員39人が昨年10月から計8回協議。必要な部会や役員候補を話し合ったり、規約を練ったりした。
 高齢者世帯の入居は少なくない。宅地造成を待ち、一時的な住まいとする人もいる。気仙沼市から移り住んだ紺野さんは「これからが本番。相談できる関係をつくり、孤独死を絶対に出したくない」と力を込める。
 支援する岩手大三陸復興・地域創生推進機構の船戸義和特任研究員は「次期の役員を出せるかが大事になる。(人ごとではなく)住民は『自分ごと』と考えてほしい」と話した。