自治体間で過熱するふるさと納税の返礼品競争を是正しようと、国が寄付額に占める返礼品調達額の割合を3割以下にするなどの対策を通知したことに対し、寄付金受け入れ額が全国上位の山形県内の市町が困惑している。各自治体は返礼品の見直しを含めて検討する予定で「地域の経済やPRに役立っているのに」と不満の声も上がる。

 総務省によると、2015年度の受け入れ額全国トップ5と50位以内の山形県内の市町は表の通り。3位の天童市をはじめ計6市町が名を連ねた。主に果物や牛肉、コメなどブランド力のある農産品が呼び水になっている。
 天童市の調達額の割合は5割。サクランボ、モモ、ブドウの人気が高い。天童木工の家具もリストに並ぶが、国の通知では家具も廃止対象に入った。特典で輸入家具を贈る自治体があったのが一因だ。
 「一部自治体のしわ寄せを受ける形になった」と担当者。「3割への対応は未定。家具はやめることを含めて検討する」と言う。
 米沢市は地元工場で製造したノートパソコンが1番人気で、受け入れ額の8割を占める。返礼品から外せば、寄付は激減するとみられる。調達額も6割と高く、担当者は「地元工場への影響もある。関係団体と協議しながら対応を考えたい」と説明する。
 通知は換金、譲渡を避けるため、商品券やポイントも贈らないよう求めた。舟形町は地元商店街の商品券などと交換できるポイント制を導入。地元商工会は15年、ポイント管理やふるさと納税の窓口業務をする会社を設立し、10人を新規採用した。担当者は「雇用を生み、地元にもお金が回る仕組みとして考えたのだが…」と対応に苦慮する。
 今回の措置の背景には、地域性にかかわらず高額な返礼品を贈る自治体の増加がある。総務省は自治体の見直し状況を随時確認する方針。
 山形県市町村課は「寄付金は市町村の財源になり、返礼品は地場産品のPRや地域の魅力発信に貢献している。市町村の考えを尊重する」との考えを示す。

<メモ> 総務省は1日、寄付額の平均4割程度になっている返礼品調達額を、3割以下にするよう自治体に求めた。金銭に類似したプリペイドカード、商品券、ポイントや、資産性が高い電気・電子機器、家具、時計、カメラ、ゴルフ用品などは、転売防止策や地域への経済効果に関係なく送付を禁じた。