会計検査院は12日、東日本大震災の復興事業に関する検査結果を発表した。2011~15年度の集中復興期間に国が予算計上した総額33兆4922億円のうち、実際の支出額は27兆6231億円で執行率は82.4%だった。15年度末時点で1兆4111億円が繰り越しとなり、検査院は「国は被災自治体と緊密に連絡調整し、事業が円滑に実施されるよう努めるべきだ」と指摘した。

 検査院によると、年度別の復興予算の執行率は12年度が最も高く90.4%。最も低いのは15年度の63.9%。復興予算は次年度以降に最長2年繰り越せるため、14年度以降の繰り越し分が執行されれば執行率は上方修正される。
 復興予算のうち、事業規模が見込みより小さくなるなどして、支出されなかった不用額の合計は15年度末時点で計4兆4579億円。年度別では11年度の2兆2621億円が最多だった。各年度の不用額は、次年度以降の復興予算に再計上される。
 15年度末時点の繰越額1兆4111億円の内訳は、復興関係公共事業費7314億円、復興交付金3092億円、原子力災害復興関係経費2269億円。検査院は「事業化の際、関係機関との協議や住民との合意形成に時間を要したのが主な理由」と分析する。
 検査院は復興事業の成果を検証するため、岩手、宮城、福島3県の防潮堤の整備状況も調査。計画のある576事業のうち15年度末までに完成したのは87にとどまり、完成率は15.1%だった。計画事業費の総額は1兆3433億円で、15年度末までの支出済み事業費は4605億円だった。
 政府は集中復興期間の事業費を25兆5000億円程度と想定。実際の支出額は27兆円を超えたが、検査院によると、福島第1原発事故の除染費など東京電力に求償できる費用や復興債の償還費を除けば24兆6000億円程度となる。