熊本地震発生から1年に合わせ、被災の様子や地域の記憶を伝えようと熊本県立大の学生らがイラスト地図「くまもとめもりーまっぷ」を作製し、14日の新入生説明会で披露した。学生が参考にしたのは仙台市地下鉄東西線荒井駅内にある東日本大震災の記録展示施設「せんだい3.11メモリアル交流館」の「仙台沿岸イラストマップ」。東日本の取り組みが熊本で受け継がれている。

 めもりーまっぷは縦約1.5メートル、横約3.2メートル。避難所となった大学内を描いた「学内版」と、熊本市内、阿蘇大橋が崩落した南阿蘇村、家屋倒壊が相次いだ益城町などを集録した「熊本近郊版」の2種類ある。油性ペンやクレヨンで道路や川、施設などを表現した。
 地図上の益城町役場周辺には「いまだに道路が波打っている」「少年野球最後の試合をした思い出の場所」、阿蘇大橋には「昔は赤橋と呼ばれていたよ」など、学生や住民らが被災の様子、場所の思い出を記した付箋が貼られている。
 学生らは今年2月、仙台の交流館を見学し、熊本版の地図作りを発案した。参考にした「仙台沿岸イラストマップ」は、仙台在住のイラストレーター佐藤ジュンコさんの作品で2015年12月に完成。来館者が思い出などを書いた付箋を自由に貼るのが特徴で、多くの人によって地域の記憶が再現、記録されている。
 熊本の地図は約1カ月かけて完成させ、3月14日から同大グローカルセンターに展示。新入生説明会では、メンバーの学生が地震時の状況や地図作りへの思いを発表した。
 学生を支援した同大地域活力創生センターの担当者は「今後もボランティアの学生、地域の人々と一緒に地図作りをし、教訓や地震前の思い出を残していきたい」と説明。交流館の職員飯川晃さんは「地域に思いを寄せる活動が、熊本でも大きく広がってくれればうれしい」と話した。